8. ねえ。この子聞こえてる??

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これは私の経験談です。続き物になっています。

初めてのあたふた育児

とかく最初の子はどう育ててよいかわからない。

最初は毎晩、息子の体重を計測して
「増えた」とか「おかしい。あれだけおっぱい飲んでるのに減ってる」とか一喜一憂していたのだが母にたしなめられた。

我が子ながらになんかまるで宇宙人のような気がして、
私がなにかそれこそ細かく細かく配慮しないと目の前の赤ちゃんがどうにかなってしまうんじゃないかとさえ思った。

最低限の生理的要求さえ満たしてあげればいいんだ。と思えるようになったのは二人目からである。

息子は本当によく寝る子だった。
こっちも産後で疲れているのでそれをいいことにそのままにしておいた。
「3時間おき位におっぱいをあげましょう。」と言われているところを8時間とか寝てくれて、起きた時におっぱい与えたりしていた。
産科の小児科の先生に「起こしておっぱいあげなあかんがなーー。」と笑われた。

神経質に育てているようで肝心なところが抜けていたような子育て。
そんな子育てでもすでに成人した今があるのだからなんとでもなるものだなと思う。

ねえ。この子聞こえてる?

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息子の耳は片方は先天的に閉鎖していたがもう片方は開いていた。
だから開いている方の耳で音は聞こえていると思い込んでいて普通に話しかけていた。

呼びかけなどに反応するのは聞こえる子でもまだ先の事なのかなと思っていた。

この時期の赤ちゃんが通常どういう反応をするか?というのは本で調べては見たものの、最初の子供なのでいまいちわからなかった。

そんなある日、母が何か大きな音をたてた時に息子の反応がまるでないということに気が付いた。
生後1-2週間の赤ちゃんでも大きな音を立てた時、モロー反射と言って、両手を同時にびくっとさせる動作をするという話だった。

「ねえ。。。この子やっぱりおかしいんちゃう?」

母が玄の寝てるそばで豪快にふすまを開け閉めしたけども反応がなかった。

「全然反応ないやん。ほら。」

突然息子に直接触れた時には、モロー反射があった。

その後は心配に浸る間もなく日々の世話に追われて行くのだが、「果たしてこの子の耳は聞こえているのだろうか?」という不安はつきまとう。

「開いている方の耳からちょっとでも聞こえてるんじゃないか」
そう思う事にしていた。

今時だとABR(聴覚スクリーニングテストというそうで、音の刺激を与えて脳波を測定する)の検査を新生児の段階で勧められるようだが当時は今ほど早い段階での検査を勧められるような感じでもなかった。

もっとも新生児の段階で検査に難聴の疑いがあります。といわれても成長していくうち、疑いが晴れることもあると聞く。
でもやはり聞こえる子か聞こえない子か。がわかるのは早ければ早いほどいい。

目が覚めた先生の言葉

1ヶ月間の実家生活を終え、夫と義母、義兄弟の待つ神奈川県に戻った。

息子の体の事に関しては神戸のこども病院に紹介状を書いてもらい、その後は神奈川県立こども医療センターで長期的に見ていただくことになっていた。

神奈川県立こども医療センターは、わが子の場合は形成外科に耳鼻科に。。と科の数は多いが最初は「内科」の受診から各科へ受診。という流れだった。

最初の内科の受診は1か月半の時。かなりキャリアの60近い女の先生だった。

私が
「この子の5年先、10年先、、将来が心配ですーー。どうなるのでしょうか。」
と正直にわあーーっと先生に気持ちを伝えたら

「あのね。はっきり言うけど、遠い先の「心配」は全く意味がないからもう今からやめましょう。あなたが今5年先10年先心配してこの子がどうなると思うの?今できる事をしなさい。先なんか考えない!」

というようなことをぴしゃっと言われて目が覚めるような思いがした。

先生の言うとおりだ。。遠い先を心配しても全く意味がない。。。。
今できることしかできないんだなあ。。

この言葉が息子の子育ての話だけでなく他の事でも同じだと痛感した。
その後の私の中でもこの言葉は生きている。

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