17. 子育て講座と個別指導

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たくさんの障害を持って生まれた息子。
1歳になるまで様々な検査をし、ひとつひとつできることをやってきた。
「聾」であることを6ヶ月の時に医者から告知された後、聴覚口話法の日本聾話学校を紹介された。
聾学校の乳幼児部での講義で
私達は聾児にどうやって「ことば」を身につけさせていくのかを学んだ。
前回は↓
16.ことばは「育つ」もの

子育て講座・大切なことのリスト

聾学校の乳幼児部(本人はまだ1歳である)に入園してすぐに両親向けの講座が何回も開催された。
その中で「両親で考えてほしいこと」というような内容の講座があり、リストを頂いた。

・こどもが愛されていると感じるように育てる
・こどもを一人の人格者として認める
・生活の中でわかりあっていく
・子供を信頼して育てる
・親が限界を決めないで可能性を信じる
・ほめて育てる
・心と時間をかけて育てる
・生活リズムを整えて育てる
・乳幼児時代は芽が出るのに時間がかかる。比較したり焦ったりしないで育てる
・この子にとってよい一日と思えるように過ごす

他にも色々あったがこんなのもあった。
・この障害はかなり困難な障害であることを肝に銘じる

ひゃあ。その時これを見てあまり何も感じてなかったかも。。

今見て「ああ。やっぱり困難なんだなあ。。」と改めて思う。
20年振り返ると、、、まあそうなのかな。。。

それよりも私はこんなことを空想した。
「このリストが完璧、パーフェクトなよそのお母さん」

「このリストのことはあんまりできないけど本当のお母さん」
が仮に目の前に二人いるとして子供はどちらを選ぶだろうか?

子供は間違いなく後者を選ぶよなあー当然。。。

でも今このリストを見た時、これは本当に大切なことが要約されているな。と思う。

子育ては長い。気を張りすぎていたら身が持たない。雛型のおかあさんになる必要なんてない。
誰が何と言おうが、ひとつひとついいと思う事を自分のペースで必要な時に取り入れていくしかない。

結局こういうリストは自分が必要に思う時だけ見るものであって、要は適当がいいのかな。って思う。

適当とはいわゆるルーズな意味での「適当」というニュアンスではなく、「ほどよく良い加減での」というニュアンスである。

この中で一番簡単に実行出来て一番大切だと思うのは、
・この子にとってよい一日と思えるように過ごす。これに尽きると思う。

そして今、勝手にひとつリストに加えたい。
・不安になった時はこれまでの成長に対してよろこぶ気持ちを起こしてみる。

わが子に関して言えばこれまでの道のり、生まれてきてから生きるか死ぬか?な状態も経験したわけで、子供の未来を不安になる気持ちもその時はあったけど、
まあよくここまで成長したなあーと逆に思えば気持ちが少しホッとするし、ベストを尽くしてきたのならこれでいいんだよなあ。と感謝の気持ちもわく。
そうすると、自分の力ではない大いなる存在の導きも感じる。

特に一日の終わりである寝る前は感謝の気持ちで一日を終わらせるのがいいようだ。。。

個別指導・遊びを通してのかかわり

聾学校の乳幼児部に入学して、赤ちゃんの頃は聾学校に週に2度ほど通った。

補聴器をまずチェックしてから時間になると小さな教室で個別指導があった。

先生と私と息子でお歌や遊びを通して、「コミュニケーションの取り方」みたいなものを学んでいった。
乳幼児の頃はどちらかというと親向け指導だったように思う。幼稚部からだんだんと本人向けの指導の割合が増えていく。

乳幼児部個別指導の一こま。

例えば、風車のような回るおもちゃに息子が興味を持ったとする。

こういう時のやり取りは、
先生:「あーくるくるまわってるねえ。くるくる。。。」
子供の様子を先生はよく観察していて、「くるくる回っているもの」に子供の興味が向いている。ということがあった上での流れである。
もし子供が「うーうーうー」と真似したらしめたもので「そう。くるくるくるくる。。」と言葉にして返してやる。
もし子供が笑ったら「おもしろいねー」とか、

さらに例えばこれが下に落ちた時などは
先生:「落ちたねえ。あーあ。(表情もつけて)落ちちゃった」
など、見てわかるいわば当たり前のことに意識して言葉をつける。

子供の感動(そのものを感じて心の中が動いているであろう情動)を表情とセットで声・言葉にしていく。

わざとらしくなく、大きな声でもなく。

子供のかわりに言葉にして返してやる。こういうことの繰り返し。
そうすると段々と子供が言葉にはならなくても「あー」とか「うー」とか声を出すようになってくる。
先生や親のマネをするようになる。僕もこう表現したいよーってなっていく。

終わるときは子供がごねても
「終わりだよー。終わり。ばいばーーい」と必ず終わらせる。でないと「終わり」が伝わらない。

子供がどんな要素に感動しているか・何に興味があるか・が最も大切である。
また、「ほらーこんな楽しそうなものもあるよーー」という感じで他の様々なものを子供の前に出して、興味を広げてやり、
それにどう関心を示してくるか?ということもやっていった。(世間の親子同様)

子供の気持ちが先生や私の予測と違うことも当然ながら多々あったし、子供の成長は早いから前回と違う展開を見せることもあったけど
できるだけ子供を細かく観察しつつ子供の気持ちに出来るだけそうようにしていく必要があった。

子供と心を通わせながらのやり取りを積み重ねていく。それが子供にとってのなによりの心の栄養になるようだ。
「すぐ結果を求めないでくださいね。芽が出るのは思春期以降ですよ」と校長先生に何度も励まされた。

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